【前回の宿題解説】エネルギー保存の深淵、見極めたか!?
最終更新日: 2025-06-05 11:30:17
作成者: カリスマ講師
前回は、「力学的エネルギー保存則」っていう超強力な武器を使って、バネがびよよ~んと伸び縮みする運動や、物体がグルンと円を描く運動のナゾを解き明かした。その最後に、君の物理脳をさらに刺激する挑戦状を叩きつけたよな。まずは、その答え合わせで、今日の講義に向けて脳細胞をフル活性化させるぞ!
【前回の宿題解説】エネルギー保存の深淵、見極めたか!?
質問1:「重力による位置エネルギーの基準面はどこに取ってもいいんだったよね? もし基準面を変えたら、計算される位置エネルギーの値は変わるけど、力学的エネルギー保存則を使って速さなどを求めるとき、最終的な答えに影響はあるかな?ないかな? その理由は?」
- カリスマ講師の答え: 最終的な答え、例えば速さとか高さの変化には、まったく影響はないんだ!
- 理由: 力学的エネルギー保存則 \( K_1 + U_1 = K_2 + U_2 \) を使うとき、結局大事なのはエネルギーの「差」や「変化量」なんだ。基準面を変えると、\( U_1 \) や \( U_2 \) の絶対値は変わるけど、\( U_2 - U_1 \) みたいな「差」は変わらない。だから、運動エネルギーの変化量 \( \Delta K \) も変わらず、結果として求めたい速さなんかは同じになるんだ。ただし、一度決めた基準は最後まで貫くのが鉄則だぜ!
質問2:「遊園地のジェットコースターが、一番高いところからスタートして、その後エンジンなどを使わずに(摩擦や空気抵抗も無視できるとして)コースを走り抜けるとする。一番スピードが出るのは、コースのどの地点だと思う? それは、力学的エネルギー保存則でどう説明できる?」
- カリスマ講師の答え: 一番スピードが出るのは、コースの中で最も低い地点だ!
- 理由: 力学的エネルギー \( E = K + U_g = \frac{1}{2}mv^2 + mgh \) が保存されるからな。合計値が一定なら、位置エネルギー \( U_g = mgh \) が最小になる(つまり高さ \( h \) が一番低い)ところで、運動エネルギー \( K = \frac{1}{2}mv^2 \) が最大になる。だから、一番低いところで最高速!エネルギーが姿を変えるだけってことだ。
質問3:「もし、摩擦があるザラザラの坂道を物体が滑り落ちたら、その物体の『力学的エネルギー』はどうなると思う?(増える?減る?変わらない?)その理由は?」
- カリスマ講師の答え: 力学的エネルギーは、減る!
- 理由: 摩擦力は「非保存力」で、物体の運動を妨げる向きに働くから、物体に対して負の仕事をするんだ。その結果、力学的エネルギーの一部が熱エネルギーなどに変わって失われちゃう。だから、\( E_1 + W_{\text{摩擦}} = E_2 \) で、\( W_{\text{摩擦}} \) がマイナスなので、\( E_2 < E_1 \) となる。残念ながら、現実の世界ではよくあることだ。
さあ、頭のウォーミングアップは完璧だな! これまで我々は、ニュートンの法則(力と加速度)と、エネルギー保存則(仕事とエネルギー)っていう、物理学の二大巨頭とも言える考え方を学んできた。これらを使えば、かなりの運動を分析できる。
しかし!世の中には、ボールがぶつかり合ったり、ロケットが燃料を噴射して進んだり、スケーターがスピンの途中で腕を縮めて回転を速くしたり… といった現象がある。こういう、「衝突」や「分裂」、あるいは「回転の変化」みたいな場面では、また別の強力な物理量が活躍するんだ。
今日から学ぶのは、「運動量(うんどうりょう)」と「力積(りきせき)」だ! この新しい概念を手にすれば、これまでとはまた違った角度から運動の謎を解き明かせるようになるぞ!特に、力が複雑に変化したり、作用時間がすごく短かったりする現象の分析に、めちゃくちゃ威力を発揮するんだ。
準備はいいか?物理の世界の新たな扉を開くぞ!