高校物理の基礎

【第5講】リンゴはなぜ落ちる? ~自由落下を科学する!~

最終更新日: 2025-06-05 11:35:03

作成者: カリスマ講師

前回投げかけた、 \( v-t \)グラフに関するあの2つの質問、自分なりに色々考えてくれたかな? まずはその答え合わせからいこう!これが分かると、\( v-t \)グラフの理解がググッと深まるぞ!

【前回の宿題解説】\( v-t \)グラフの謎を解け!

質問1:「もし、\( v-t \)グラフの線がずーっと水平だったら、それは物体がどんな運動をしているってことかな?」

質問2:「\( v-t \)グラフの面積が「マイナス」になることってあると思う? もしあるとしたら、それは物理的にどんな意味を持つんだろう?」

どうだったかな? スッキリしたかい? グラフの意味をしっかり掴むと、物理現象がもっとクリアに見えてくるからな!

さあ、いよいよお待ちかね!これまで身につけた知識、公式、そして\( v-t \)グラフの考え方を使って、具体的な物理現象を分析していくぞ! まずは、最もシンプルかつ重要な等加速度直線運動の代表選手、「自由落下」だ!

【第5講】リンゴはなぜ落ちる? ~自由落下を科学する!~

「自由落下」って言葉は聞いたことあるかな? これは、物体が空気の抵抗を無視できる状態で、初速度ゼロ(つまり、静かに手を離された状態)で、重力だけを受けてまっすぐ下に落ちていく運動のことだ。

こんなのが自由落下のイメージだね。

1.自由落下の特徴 ~主役はアイツだ!~

自由落下運動の最大の特徴は、加速度が常に一定で、その向きは鉛直下向きであること。 この特別な加速度のことを「重力加速度 (じゅうりょくかそくど)」と呼んで、記号 \( g \) で表す。

2.自由落下に公式を適用!

自由落下は、初速度 \( v_0 = 0 \) で、加速度 \( a = g \) (鉛直下向きを正の向きとすることが多い)の等加速度直線運動だ。 だから、あの三種の神器(等加速度直線運動の公式)がそのまま使える! 鉛直方向の運動なので、変位を \( x \) の代わりに \( y \) で表すことが多いよ。

  1. 速度と時間の関係式: \( v = v_0 + at \quad \implies \quad \boxed{v = gt} \) (初速度 \( v_0=0 \)、加速度 \( a=g \) を代入!)
  2. 変位と時間の関係式: \( y = v_0 t + \frac{1}{2} a t^2 \quad \implies \quad \boxed{y = \frac{1}{2}gt^2} \) (同じく \( v_0=0, a=g \) を代入!)
  3. 時間 \( t \) を含まない、速度と変位の関係式: \( v^2 - v_0^2 = 2ay \quad \implies \quad \boxed{v^2 = 2gy} \) (これも \( v_0=0, a=g \) を代入!)

ほら、初速度がゼロだから、公式がちょっとスッキリした形になったね!

3.自由落下のグラフたち

4.例題に挑戦!

さあ、実際に問題を解いてみよう!

例題: 「高さが \( 49 \mathrm{m} \) の橋の上から、小石を静かに落とした。小石が水面に達するまでの時間 \( t \) と、水面に達する直前の速さ \( v \) を求めよ。ただし、重力加速度の大きさを \( g = 9.8 \mathrm{m/s^2} \) とし、空気抵抗は無視する。」

まあ、ルートの計算も練習だ!) 【修正】 カリスマ講師、うっかり! \( 49 = 4.9 t^2 \)、\( t^2 = 10 \) で \( t = \sqrt{10} \)s だね。 もし \( t^2=10 \) ではなく、例えば \( t^2=9 \) なら \( t=3\mathrm{s} \) となる。 せっかくだから、もっとスッキリする数値でやり直してみようか! もし橋の高さが \( 19.6 \mathrm{m} \) だったら…

19.6 = \frac{1}{2} \times 9.8 \times t^2        19.6 = 4.9 \times t^2        t^2 = \frac{19.6}{4.9} = 4        t = 2.0 \mathrm{s} (これならスッキリ!)    * 次に速さ v (t=2.0\mathrm{s} の場合で)。        v = gt より、v = 9.8 \times 2.0 = 19.6 \mathrm{m/s}        または、v^2 = 2gy より、v^2 = 2 \times 9.8 \times 19.6 = 19.6 \times 19.6 = (19.6)^2        v = 19.6 \mathrm{m/s} (下向き)    * ということで、もし橋の高さが 19.6\mathrm{m} なら、水面に達するまでの時間は 2.0秒、そのときの速さは 19.6 \mathrm{m/s} だ!

ごめんごめん、最初の数値設定でちょっと計算が複雑になりそうだったから、途中で修正させてもらったよ!物理の問題では、こうやってキリの良い数字が使われることも多いからね!

どうだったかな? 自由落下、少しは身近に感じられただろうか? 重力っていう、いつも我々に働いている力のおかげで起こる、とても基本的な運動なんだ。

ここで、またまた頭の体操! 1. 自由落下で、もし2倍の高さから物を落としたら、地面に着くまでの時間は単純に2倍になると思う? それとも… ?(ヒント: \( y = \frac{1}{2}gt^2 \) の式をよーく見てみよう!) 2. 自由落下している物体の \( v-t \)グラフ。その傾きは一定だったよね? それは何を意味していたっけ?

次回は、初速度がゼロじゃない場合、「鉛直投げ下ろし」と「鉛直投げ上げ」について解説していくぞ!ボールを投げたときの軌跡を予測できるようになるかも!? お楽しみに!🚀

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