【前回の宿題解説】エネルギーの真髄、見抜けたか!?
最終更新日: 2025-06-05 11:28:33
作成者: カリスマ講師
うおおっしゃーーー!その「続きを!」の一言に、君の物理魂の燃え上がりを感じるぜ!素晴らしい!👍 前回は「位置エネルギー」という名の秘められた力と、物理学の美しい宝石「力学的エネルギー保存則」について学んだ。その最後に、君の理解をさらに深めるための思考のドリルを3つ提示したよな。まずは、その答え合わせで脳を高速回転させて、今日の講義に備えよう!
【前回の宿題解説】エネルギーの真髄、見抜けたか!?
質問1:「重力による位置エネルギーの基準面はどこに取ってもいいんだったよね? もし基準面を変えたら、計算される位置エネルギーの値は変わるけど、力学的エネルギー保存則を使って速さなどを求めるとき、最終的な答えに影響はあるかな?ないかな? その理由は?」
- カリスマ講師の答え: 最終的な答え(例えば速さとか、高さの差とか)には、影響はないんだ!
- 理由: 力学的エネルギー保存則 \( K_1 + U_1 = K_2 + U_2 \) を使うとき、結局はエネルギーの「差」や「変化量」が重要になる。基準面を変えると、それぞれの位置エネルギー \( U_1 \) や \( U_2 \) の値そのものは変わるけど、その差 \( U_2 - U_1 \)(あるいは \( U_1 - U_2 \))は変わらないんだ。 例えば、地面を基準にしたとき \( U_1 = 10\mathrm{J}, U_2 = 5\mathrm{J} \) だったとしたら、その差は \( -5\mathrm{J} \)。もし机の上を基準にして \( U_1 = 3\mathrm{J}, U_2 = -2\mathrm{J} \) になったとしても、その差はやっぱり \( -5\mathrm{J} \)。だから、運動エネルギーの変化や、そこから導かれる速さなんかは同じ結果になる。ただし、計算の途中で基準面をコロコロ変えるのは混乱の元だから、最初に決めた基準面は最後まで使い続けるのが鉄則だぜ!
質問2:「遊園地のジェットコースターが、一番高いところからスタートして、その後エンジンなどを使わずに(摩擦や空気抵抗も無視できるとして)コースを走り抜けるとする。一番スピードが出るのは、コースのどの地点だと思う? それは、力学的エネルギー保存則でどう説明できる?」
- カリスマ講師の答え: 一番スピードが出るのは、コースの中で最も低い地点だ!
- 理由: 摩擦や空気抵抗が無視できるなら、ジェットコースターの力学的エネルギー \( E = K + U_g = \frac{1}{2}mv^2 + mgh \) は保存される。つまり、合計値は常に一定。 ということは、運動エネルギー \( K = \frac{1}{2}mv^2 \) が最大になるのは、位置エネルギー \( U_g = mgh \) が最小になるときだ。高さ \( h \) が一番低いところで位置エネルギーは最小になるから、そこで運動エネルギーが最大、つまり速さ \( v \) が最大になるってわけだ!エネルギーのシーソーゲームだな!
質問3:「もし、摩擦があるザラザラの坂道を物体が滑り落ちたら、その物体の『力学的エネルギー』はどうなると思う?(増える?減る?変わらない?)その理由は?」
- カリスマ講師の答え: その物体の力学的エネルギーは、減る!
- 理由: 摩擦力は「非保存力」の代表選手だったよな。非保存力が仕事をすると、力学的エネルギーは保存されないんだった。 摩擦力は、物体の運動を妨げる向きに働くから、物体に対して負の仕事をする。その結果、\( E_1 + W_{\text{摩擦}} = E_2 \) という関係で、\( W_{\text{摩擦}} \) がマイナスなので、\( E_2 < E_1 \) となる。つまり、力学的エネルギーの一部が、摩擦によって熱エネルギーとかに変わって失われちゃうんだ。残念だけど、これが現実の世界でよく起こることだ。
さあ、頭の準備運動は完璧だな! 前回、「力学的エネルギー保存則」という、まるで魔法のような法則を手に入れた。今日は、この法則をさらに使いこなして、もっと複雑で面白い問題に挑戦していくぞ! バネがビヨーンと伸び縮みする運動や、物体がグルンと円を描く運動とエネルギーがどう絡み合ってくるのか、その秘密を解き明かそう!
【第16講】エネルギー保存則を使いこなせ! ~バネと円運動の熱血解析!~
力学的エネルギー保存則 \( K_1 + U_1 = K_2 + U_2 \) を使うときの合言葉、覚えてるか?
- 始めと終わりの状態を明確に!
- 働く力をチェック! 保存力だけならエネルギー保存OK! (非保存力が仕事してたら、その分も考慮!)
- エネルギーの種類と基準面を設定! (運動エネルギー、重力ポテンシャル、弾性ポテンシャル… )
- 保存則の式を立てる!
- 解く!
このステップで、どんな強敵も怖くない!
例題演習1:バネが主役! びよよ~んエネルギー劇場!
問題: 「天井からつるされた軽いバネ(ばね定数 \( k \))がある。このバネの自然長の位置を原点Oとし、鉛直下向きを \( x \)軸の正とする。質量 \( m \) のおもりをバネの先端に取り付け、静かにおろしていくと、おもりはある位置でつり合った。 (1) このつり合いの位置 \( x_0 \) を求めよ。 (2) 次に、おもりを自然長の位置Oで静かに手を離した。おもりが初めてつり合いの位置 \( x_0 \) を通過するときの速さ \( v_1 \) を求めよ。 (3) おもりが達する最下点の位置 \( x_2 \) を求めよ。」 (重力加速度の大きさを \( g \) とする。)
-
カリスマ講師の解法ナビ!
(1) つり合いの位置 \( x_0 \) つり合いの位置では、おもりに働く力はつり合っている! * 働く力: * 重力 \( mg \) (下向き、つまり \( x \)軸の正の向き) * バネの弾性力 \( kx_0 \) (上向き、バネが \( x_0 \) だけ伸びているから、自然長に戻ろうとする向き)
- 力のつり合いの式 (上向きを正、下向きを負としてもいいし、力の大きさが等しいと考えてもいい): \( mg - kx_0 = 0 \quad \therefore \boxed{x_0 = \frac{mg}{k}} \)
(2) つり合いの位置を通過するときの速さ \( v_1 \) 自然長の位置Oで手を離してから、つり合いの位置 \( x_0 \) まで運動する間、おもりに働く力は重力と弾性力だけだ(どちらも保存力!)。だから、力学的エネルギー保存則が使える! * 始めの状態 (自然長O): * 位置 \( x=0 \) (ここを重力ポテンシャルの基準にもしよう! \( h=0 \)) * 速さ \( v=0 \) (静かに手を離したから) * \( K_1 = 0 \) * \( U_{g1} = mg(0) = 0 \) * \( U_{s1} = \frac{1}{2}k(0)^2 = 0 \) * \( E_1 = 0 + 0 + 0 = 0 \)
-
終わりの状態 (つり合いの位置 \( x_0 \)):
- 位置 \( x=x_0 \) (重力ポテンシャルは \( mg(-x_0) \) となることに注意!下向きを正としたから、高さとしては \( -x_0 \) だ)
- 速さ \( v_1 \)
- \( K_2 = \frac{1}{2}mv_1^2 \)
- \( U_{g2} = mg(-x_0) = -mgx_0 \)
- \( U_{s2} = \frac{1}{2}kx_0^2 \)
- \( E_2 = \frac{1}{2}mv_1^2 - mgx_0 + \frac{1}{2}kx_0^2 \)
-
力学的エネルギー保存則 \( E_1 = E_2 \) より: \( 0 = \frac{1}{2}mv_1^2 - mgx_0 + \frac{1}{2}kx_0^2 \) ここで、(1)で求めた \( mg = kx_0 \) を代入すると、\( mgx_0 = kx_0^2 \) だから、 \( 0 = \frac{1}{2}mv_1^2 - kx_0^2 + \frac{1}{2}kx_0^2 \) \( 0 = \frac{1}{2}mv_1^2 - \frac{1}{2}kx_0^2 \) \( \frac{1}{2}mv_1^2 = \frac{1}{2}kx_0^2 \) \( v_1^2 = \frac{k}{m}x_0^2 \quad \therefore \boxed{v_1 = x_0 \sqrt{\frac{k}{m}}} \) (速さなので正の値) \( x_0 = \frac{mg}{k} \) を代入すると、\( v_1 = \frac{mg}{k} \sqrt{\frac{k}{m}} = g\sqrt{\frac{m}{k}} \) とも書ける。
(3) 最下点の位置 \( x_2 \) 自然長の位置Oから最下点 \( x_2 \) まで、やっぱり力学的エネルギーは保存される! 最下点では、一瞬速さがゼロになるはずだ。 * 始めの状態 (自然長O): \( E_1 = 0 \) (さっきと同じ) * 終わりの状態 (最下点 \( x_2 \)): * 位置 \( x=x_2 \) * 速さ \( v=0 \) * \( K_3 = 0 \) * \( U_{g3} = mg(-x_2) = -mgx_2 \) * \( U_{s3} = \frac{1}{2}kx_2^2 \) * \( E_3 = 0 - mgx_2 + \frac{1}{2}kx_2^2 \)
- 力学的エネルギー保存則 \( E_1 = E_3 \) より: \( 0 = -mgx_2 + \frac{1}{2}kx_2^2 \) \( x_2 \neq 0 \) (自然長の位置ではない) と考えて、両辺を \( x_2 \) で割ると(本当は \( x_2( \frac{1}{2}kx_2 - mg) = 0 \) と因数分解する方が丁寧だな!)、 \( -mg + \frac{1}{2}kx_2 = 0 \quad \therefore \boxed{x_2 = \frac{2mg}{k}} \) お!これは、つり合いの位置 \( x_0 = \frac{mg}{k} \) のちょうど2倍の位置になっている!つまり、自然長の位置から手を離すと、つり合いの位置を中心として、同じ振幅で振動するんだな(単振動の foreshadowing だ!)。
例題演習2:円のてっぺんを目指せ! ループコースターの物理!
問題: 「半径 \( R \) の滑らかな円筒面の内側を、質量 \( m \) の小球が運動する。小球が円筒面の最下点を速さ \( v_0 \) で通過した。 (1) 小球が円筒面の最高点(真上の点)を通過するときの速さ \( v_t \) を、\( v_0, R, g \) を用いて表せ。 (2) 小球が最高点で円筒面から離れずに通過するための、\( v_0 \) に関する条件を求めよ。」 (重力加速度の大きさを \( g \) とする。)
-
カリスマ講師の解法ナビ!
(1) 最高点での速さ \( v_t \) 最下点から最高点まで、働く力は重力と垂直抗力。垂直抗力は常に円の中心を向き、小球の運動方向(接線方向)と垂直なので仕事をしない!つまり、力学的エネルギーが保存される! * 始めの状態 (最下点): * 速さ \( v_0 \) * 高さ \( h_1 = 0 \) (ここを重力ポテンシャルの基準とする) * \( E_1 = \frac{1}{2}mv_0^2 + mg(0) = \frac{1}{2}mv_0^2 \)
-
終わりの状態 (最高点):
- 速さ \( v_t \)
- 高さ \( h_2 = 2R \) (最下点からの高さは円の直径!)
- \( E_2 = \frac{1}{2}mv_t^2 + mg(2R) \)
-
力学的エネルギー保存則 \( E_1 = E_2 \) より: \( \frac{1}{2}mv_0^2 = \frac{1}{2}mv_t^2 + 2mgR \) 両辺を \( m \) で割って、2倍すると、\( v_0^2 = v_t^2 + 4gR \) よって、\( \boxed{v_t^2 = v_0^2 - 4gR \quad \therefore v_t = \sqrt{v_0^2 - 4gR}} \)
(2) 最高点を通過するための \( v_0 \) の条件 小球が最高点で円筒面から「離れない」ということは、最高点でもちゃんと円運動をしているということ。そのためには、最高点での垂直抗力 \( N_t \) がゼロ以上 (\( N_t \ge 0 \)) でなければならない!もし垂直抗力がマイナスになったら、それは「面から離れちゃってるよ!」って意味だからな。 * 最高点での力のつり合い(円運動の運動方程式) 小球に働く力は、 * 重力 \( mg \) (鉛直下向き) * 垂直抗力 \( N_t \) (これも鉛直下向き、円の中心向き) これらの合力が、円運動の向心力となる! 運動方程式(中心向き、つまり下向きを正とする): \( m\frac{v_t^2}{R} = mg + N_t \)
- \( N_t \ge 0 \) の条件 \( N_t = m\frac{v_t^2}{R} - mg \ge 0 \) \( m\frac{v_t^2}{R} \ge mg \quad \therefore v_t^2 \ge gR \)
- \( v_0 \) の条件を求める (1)で求めた \( v_t^2 = v_0^2 - 4gR \) を、この \( v_t^2 \ge gR \) に代入する! \( v_0^2 - 4gR \ge gR \) \( v_0^2 \ge 5gR \) よって、\( \boxed{v_0 \ge \sqrt{5gR}} \) これが、小球が最高点で円筒面から離れずに一回転するための、最下点での初速度 \( v_0 \) の最小条件だ!これより遅いと、途中で落っこちちゃうぞ!
-
ふぅーっ!今日の講義も熱く燃えたな!バネと円運動、力学的エネルギー保存則を駆使すれば、こんな複雑な運動もスッキリ解き明かせることがわかっただろ? エネルギーの視点は、本当に強力なんだ!
最後に、今日の激闘を称え、さらなる成長を促すための挑戦状だ! 1. バネ振り子の例題で、おもりが一番下(最下点 \( x_2 = 2mg/k \))にきたとき、おもりに働く力の合力はゼロかな? それとも、どっち向きに力が働いているかな?(ヒント:つり合いの位置と比較してみよう) 2. ループコースターの例題で、もし最下点での初速度 \( v_0 \) が、ちょうど \( \sqrt{5gR} \) だったとする。このとき、最高点での小球に働く垂直抗力 \( N_t \) はいくらになるかな? 3. 「仕事とエネルギーの定理」と「力学的エネルギー保存則」。この二つ、どういう関係にあると思う? どっちがより基本的な法則と言えるかな?
次回は、物理学のもう一つの大きな柱、「運動量」と「力積」の世界へ突入するぞ! 衝突や分裂といった、これまでの力学的エネルギー保存則だけではちょっと扱いにくかった現象も、この新しい概念を使えば見事に解析できるようになるんだ。ますます物理が面白くなること間違いなし! それじゃ、また次回!今日のエネルギー、しっかりチャージしておいてくれよな!健闘を祈る!✨