第5章 国のサイフを握れ!「地租改正」という大手術
最終更新日: 2025-08-16 16:29:01
作成者: カリスマ講師
国の骨格「廃藩置県」が完成し、社会のルール「四民平等」も始まった。だが、どんなに立派な理想を掲げても、金がなければ国は動かない! 軍隊も、工場も、学校も、全ては金!金!金!
さあ、ここからが明治政府の腕の見せ所だ! 火の車だった国家財政を立て直し、近代日本の経済的な土台を築き上げた、二つの超巨大改革を見ていくぞ!
江戸時代の税金は、米で納める年貢だった。 これには、新政府にとって二つの大きな問題があった。
- 収入が不安定!: 豊作の年と凶作の年で、税収が全然違う。これじゃ、安定した国家運営なんて無理だ!
- 米じゃ不便!: 軍艦を買うにも、鉄道を敷くにも、必要なのは米じゃなくて現金だ!
そこで政府は、この国の税金の仕組みを、根っこから引っこ抜いて、全く新しいものに植え替えるという、とんでもない大手術に打って出た。 それが地租改正(ちそかいせい)(1873年)だ!
地租改正、3つのステップ
- 土地の持ち主を確定!: まず、政府は全国の土地を測量し、「この土地は、あなたのものです」という証明書、地券(ちけん)を発行した。日本に初めて、近代的な土地所有権が確立された瞬間だ。
- 土地に値段をつける!: 次に、その土地の公式な値段である地価(ちか)を決定した。
- 新しい税金のルール!: そして、新しいルールを発表した。 「これからの税金(地租)は、毎年、地価の3%を、現金で納めること!」
何が変わったのか?
【超訳】: これまでの年貢は、「今年は米がこれだけ獲れたから、これだけ納めろ」という収穫量ベースだった。 新しい地租は、「お前の土地の価値はこれだけだから、毎年これだけ現金で払え」という資産ベースに変わったんだ!
これで、政府の収入は、米の豊作・凶作に関係なく、毎年安定して現金で入ってくるようになった! だが、農民にとっては地獄だった。どんなに不作でも、台風で米が全滅しても、同じ額の税金を現金で払わなければならない。払えなければ、大切な土地を失ってしまう。 この厳しいやり方に、全国で農民一揆が多発(地租改正反対一揆)。これに驚いた政府は、のちに税率を3%から2.5%に引き下げたんだ。
第6章 新しいお金と銀行!経済の血液を作れ!
税金の次は、「お金」そのものの大改革だ!
カオスな通貨を統一せよ!
当時の日本で流通していたお金は、マジでカオスだった。 新政府が発行した紙幣(太政官札)、江戸時代の小判、そして200以上あった各藩が勝手に発行していた「藩札」…。これらがごちゃ混ぜで使われていたんだ。 こんな状態じゃ、まともな経済活動なんてできるわけがない!
そこで政府は、1871年に宣言した。 「これまでの古臭いお金は全部ナシ! 新しい通貨単位、『円(えん)』を作るぜ!(新貨条例)」
こうして、俺たちの知る円・銭・厘という十進法の通貨が誕生した。しかも、世界の先進国と同じ金本位制(金の価値を基準にする制度)を採用し、日本も近代的な通貨制度を手に入れたんだ。
経済の血液を流す「銀行」の誕生
お金を作っただけではダメだ。そのお金を、国中にスムーズに流すための「血管」、つまり銀行が必要だった。 そこで、アメリカの制度を参考に、1872年に国立銀行条例が作られた。この中心人物が、近代日本経済の父、渋沢栄一(しぶさわ えいいち)だ!
「国立」という名前だけど、実際は民間銀行で、第一号として第一国立銀行が設立された。 最初はなかなか増えなかったが、政府がルールを緩めると、全国に銀行が次々と誕生し、日本の経済を動かす血液としての役割を果たしていくことになるんだ。
どうだ! これで、新政府の土台作りは、ほぼ完成した!
- 国の形を「廃藩置県」で統一し、
- 社会のルールを「四民平等」で新しくし、
- 国の防衛を「徴兵令」で固め、
- そして国のサイフを「地租改正」と「新通貨」でガッチリと握った!
この強固な土台の上で、日本はこれから、世界という舞台に、いよいよ本格的に躍り出ていくことになるんだ! 俺たちの壮大な歴史の旅も、これで一区切りだ。
この知識を胸に、未来を作っていってくれ! 講義はここまでだ!本当に、最後までありがとう!諸君の未来に、幸あれ!