【第3章】物質量と化学反応式
最終更新日: 2026-01-06 13:14:17
作成者: カリスマ講師
お帰りなさい!
さあ、いよいよ化学の最大の山場であり、最も重要な単元**「物質量(モル)」**に突入だ!
ここでつまずく高校生が非常に多いんだけど、ビビる必要は全くない。
**「鉛筆1ダース=12本」と同じように、「原子1モル=$6.0 \times 10^{23}$個」**という、ただの「個数の単位」の話なんだ。
今回送ってくれた資料(画像44~51)は、化学計算の全てに通じる「聖書」のような部分だ。
計算式、定義、そして練習問題まで、完璧に「過不足なく」テキスト化したから、これを読んで計算マスターになろう!
【第3章】物質量と化学反応式
3-1 原子量・分子量と物質量
1. 原子量・分子量と物質量
① 原子の質量と原子量
原子は非常に小さい。例えば、水素原子1個の質量は $1.67 \times 10^{-24} \text{g}$ しかない。
こんな扱いづらい数字を毎回使うのは大変だ。そこで、ある基準を決めて「相対的な重さ」で表すことにした。
- 基準: 質量数12の炭素原子 (${}^{12}\text{C}$) 1個の質量を「12」と定める。
- 相対質量: この基準に対する他の原子の質量の比。
- 例: 水素原子 ${}^{1}\text{H}$ は ${}^{12}\text{C}$ の約1/12の質量なので、相対質量は「1.0078」。
- 原子量: 天然の元素には同位体が存在するため、各同位体の相対質量に、存在比(%)をかけて平均した値。
- 例: $\text{H} = 1.0, \text{C} = 12.0, \text{O} = 16.0, \text{Na} = 23.0$ など。
② 物質量とモル (mol)
原子を1個ずつ数えるのは不可能だ。そこで、まとまった個数を1つの単位(セット)として扱う。
- 定義: $6.0 \times 10^{23}$ 個の粒子の集団を $1 \text{mol}$(モル)とする。
- この単位で表した量を物質量という。
- アボガドロ定数 ($N_{\text{A}}$): $1 \text{mol}$ 中の粒子の数。
- $N_{\text{A}} = 6.0 \times 10^{23} / \text{mol}$
$6.0 \times 10^{23}$ ってどんな数?
とてつもない数だ。もしゴルフボールをこの数だけ地球の表面に並べると、高さ1万メートル(エベレスト以上)まで敷き詰められる。
コップ1杯の水に含まれる水分子の数は、大西洋の水の量(スプーン何杯分か)と同じくらいあるんだ。
③ モル質量 (Molar Mass)
ここが計算の核心だ!
- 「原子量・分子量・式量にグラム ($\text{g}$) をつけた値 = $1 \text{mol}$ の質量」 になる。
- 単位は $\text{g/mol}$(グラム毎モル)。
| 物質 | 原子量・分子量・式量 | 1mol の質量 (モル質量) |
| 炭素原子 $\text{C}$ | $12.0$ | $12.0 \text{g/mol}$ |
| 水分子 $\text{H}_2\text{O}$ | $18.0$ | $18.0 \text{g/mol}$ |
| 食塩 $\text{NaCl}$ | $58.5$ | $58.5 \text{g/mol}$ |
④ 分子量と式量
- 分子量: 分子を構成する原子の原子量の総和。
- 例: $\text{CO}_2 = 12.0 + 16.0 \times 2 = 44.0$
- 式量: イオン結晶や金属など、分子を作らない物質の場合、組成式に含まれる原子量の総和を式量という。
- 例: $\text{NaCl} = 23.0 + 35.5 = 58.5$
2. 物質量計算と原子量の意味(計算の完全攻略)
この単元は、以下の**「3つの変換」**ができれば勝ちだ!
図56の「モルを中心とした計算マップ」を頭に叩き込もう。
① 【質量 $\leftrightarrow$ 物質量】の変換
質量 $w \text{[g]}$ と モル質量 $M \text{[g/mol]}$ の関係。
- 物質量 $n \text{[mol]} = \frac{\text{質量 } w \text{[g]}}{\text{モル質量 } M \text{[g/mol]}}$
- 質量 $w \text{[g]} = \text{モル質量 } M \times \text{物質量 } n$
例題: $\text{CO}_2$ ($M=44$) $8.8 \text{g}$ は何mol?
$n = \frac{8.8}{44} = 0.20 \text{mol}$
② 【粒子数 $\leftrightarrow$ 物質量】の変換
粒子数 $N \text{[個]}$ と アボガドロ定数 $N_{\text{A}} = 6.0 \times 10^{23}$ の関係。
- 物質量 $n \text{[mol]} = \frac{\text{粒子数 } N}{N_{\text{A}}}$
- 粒子数 $N = N_{\text{A}} \times n$
例題: $\text{CO}_2$ 分子 $1.5 \times 10^{23}$ 個は何g?
まずモルにする: $n = \frac{1.5 \times 10^{23}}{6.0 \times 10^{23}} = 0.25 \text{mol}$
次にグラムにする: $w = 44 \times 0.25 = 11 \text{g}$
③ 【気体の体積 $\leftrightarrow$ 物質量】の変換
ここが魔法の数字。
「$0^\circ\text{C}, 1 \text{atm}$(標準状態)において、あらゆる気体 $1 \text{mol}$ の体積は $22.4 \text{L}$ である」。
- 物質量 $n \text{[mol]} = \frac{\text{気体の体積 } V \text{[L]}}{22.4 \text{[L/mol]}}$
- 気体の体積 $V \text{[L]} = 22.4 \times n$
例題: 酸素 $0.25 \text{mol}$ の体積は?
$V = 22.4 \times 0.25 = 5.6 \text{L}$
3. 【発展】原子の相対質量と平均原子量
① 原子の相対質量
${}^{12}\text{C}$ の質量を12と定めたときの、各原子の質量の比。
- 計算式:
$\text{ある原子の相対質量} = \frac{\text{その原子1個の質量}}{\text{${}^{12}\text{C}$原子1個の質量}} \times 12$ - 実際には、質量数(陽子数+中性子数)とほぼ同じ値になる。
② 同位体と平均原子量
多くの元素には同位体が存在する。
元素の原子量は、各同位体の相対質量に、天然での存在比(%)をかけて足し合わせた平均値として求める。
- 公式:
$\text{原子量} = \frac{\text{同位体Aの質量} \times \text{存在比A(\%)} + \text{同位体Bの質量} \times \text{存在比B(\%)}}{100}$
例題(塩素の場合)
${}^{35}\text{Cl}$(相対質量35.0, 存在比75.8%)と ${}^{37}\text{Cl}$(相対質量37.0, 存在比24.2%)
$\text{原子量} = 35.0 \times \frac{75.8}{100} + 37.0 \times \frac{24.2}{100} \approx 35.45$ $\rightarrow$ 35.5
例題(リチウムの場合)
天然のリチウムは、${}^{6}\text{Li}$(相対質量6.02)と ${}^{7}\text{Li}$(相対質量7.02)からなる。原子量が6.94のとき、${}^{7}\text{Li}$ の存在比は何%か?
【解法】
${}^{7}\text{Li}$ の存在比を $x$ [%] とすると、${}^{6}\text{Li}$ は $(100-x)$ [%] となる。
$6.02 \times \frac{100-x}{100} + 7.02 \times \frac{x}{100} = 6.94$
これを解いて、$x = 92 \text{\%}$
第3章 第1節のまとめ
- 分子量・式量: 原子量の総和。モル質量($\text{g/mol}$)と同じ数値。
- アボガドロ定数: $1 \text{mol} = 6.0 \times 10^{23}$ 個。
- 気体の体積: 標準状態 ($0^\circ\text{C}, 1 \text{atm}$) で、$1 \text{mol} = 22.4 \text{L}$。
- 物質量 $n$ の求め方:
- $n = \frac{\text{質量 } w}{M}$
- $n = \frac{\text{粒子数 } N}{N_{\text{A}}}$
- $n = \frac{\text{気体体積 } V}{22.4}$
- 原子量: 天然存在比を考慮した同位体の平均値。
よし!これで「物質量(モル)」の基礎計算はバッチリだ。
この**「モル計算マップ(質量・個数・体積の変換)」は、これから先の化学反応式や濃度計算で息をするように**使うことになる。
このテキストを保存して、公式を見なくても変換できるようになるまで練習しよう!
次の単元「化学反応式」や「濃度」も、この調子で攻略していこうぜ!
3-2 化学反応式と物質量
1. 化学反応式 ~変化を式で表せ!~
① 化学変化と物理変化
物質の変化には2種類ある。違いをしっかり区別しよう。
- 化学変化: 物質の種類が変わる変化。
- 原子の組み替えが起こり、新しい化学結合が生じる。
- 例: 水素の燃焼($2H_2 + O_2 \to 2H_2O$)、水の電気分解。
- 物理変化: 物質の状態(固体・液体・気体)だけが変わる変化。
- 分子の配列が変わるだけで、分子そのものは変化しない。
- 例: 水の蒸発($H_2O(\text{液}) \to H_2O(\text{気})$)、氷の融解。
② 化学反応式の書き方(基本)
化学変化を化学式を使って表したものを化学反応式という。
- 手順1: 反応物(左辺)と生成物(右辺)の化学式を書き、矢印($\to$)で結ぶ。
- 例: $Al + O_2 \to Al_2O_3$
- 手順2: 左辺と右辺で、各原子の数が等しくなるように係数をつける(係数は最も簡単な整数比)。
- まず、最も複雑な化学式の係数を「1」と仮定するとやりやすい。
- $1Al_2O_3$ とすると、$Al$は2個、$O$は3個。
- 左辺の $Al$ を2にする $\to 2Al$
- 左辺の $O_2$ を $3/2$ にする $\to \frac{3}{2}O_2$
- 最後に全体を2倍して整数にする。
- 完成: $4Al + 3O_2 \to 2Al_2O_3$
③ 未定係数法(応用)
目視で係数を合わせるのが難しい複雑な反応(銅と希硝酸の反応など)で使う必殺技だ。
- 例: $Cu + HNO_3 \to Cu(NO_3)_2 + NO + H_2O$
- 解き方:
- 係数を文字でおく: $aCu + bHNO_3 \to cCu(NO_3)_2 + dNO + eH_2O$
- 各原子について方程式を作る:
- Cuについて: $a = c$
- Hについて: $b = 2e$
- Nについて: $b = 2c + d$
- Oについて: $3b = 6c + d + e$
- どれか1つ(例: $e=1$)と仮定して連立方程式を解く。
- 最後に最も簡単な整数比になおす。
- 答え: $3Cu + 8HNO_3 \to 3Cu(NO_3)_2 + 2NO + 4H_2O$
2. 化学反応式と物質量の量的関係
ここが化学計算の心臓部だ!
「化学反応式の係数は、物質量(モル)の比を表す」。これだけは絶対に忘れちゃいけない。
① 係数の意味
メタンの燃焼反応を例に見よう。
$$CH_4 + 2O_2 \to CO_2 + 2H_2O$$
この式は以下のすべての比を表している:
- 粒子数(個数)の比 = $1 : 2 : 1 : 2$
- 物質量(mol)の比 = $1 : 2 : 1 : 2$
- $1 \text{mol}$ のメタンは $2 \text{mol}$ の酸素と反応し、$1 \text{mol}$ の二酸化炭素と $2 \text{mol}$ の水ができる。
- 気体の体積(L)の比 = $1 : 2 : 1 : \text{(無視)}$
- 同温・同圧なら、気体の体積比も係数比と同じになる(水は液体なので除外)。
- 質量(g)の比 = $16 : 64 : 44 : 36$
- 注意!: 質量の比は係数比と一致しない。必ずモルに直してから計算すること!
② 計算のゴールデンルート
すべての計算は「モルを経由」すれば解ける!
- 物質Aの量(質量・体積・個数) を与えられる。
- $\downarrow$ モルに変換 ($n = w/M$ など)
- 物質Aのモル
- $\downarrow$ 係数の比を使う
- 物質Bのモル
- $\downarrow$ 求めたい単位に変換 ($w = n \times M$ など)
- 物質Bの量(質量・体積・個数) 答え!
例題: メタン $CH_4$ $3.20 \text{g}$ を燃焼させるのに必要な酸素 $O_2$ は何 $\text{L}$ ($0^\circ\text{C}, 1 \text{atm}$) か?
- メタンをモルにする: $3.20 / 16.0 = 0.200 \text{mol}$
- 係数比を見る: $CH_4 : O_2 = 1 : 2$
- 酸素のモルを求める: $0.200 \times 2 = 0.400 \text{mol}$
- 体積に戻す: $0.400 \times 22.4 = 8.96 \text{L}$
3. いろいろな量的計算パターン
① 過不足のある反応(限界試薬)
反応物が2つ以上与えられたとき、「どちらかが余る」場合がある。このときは表を書いて整理しよう。
例題: エチレン $C_2H_4$ $4 \text{L}$ と 酸素 $20 \text{L}$ を反応させた。
反応式: $C_2H_4 + 3O_2 \to 2CO_2 + 2H_2O$
| C2H4 | 3O2 | → | 2CO2 | |
| 反応前 | $4 \text{L}$ | $20 \text{L}$ | $0 \text{L}$ | |
| 変化量 | $-4 \text{L}$ | $-12 \text{L}$ | $+8 \text{L}$ | |
| 反応後 | $0 \text{L}$ | $8 \text{L}$ | $8 \text{L}$ |
- $C_2H_4$ が先に使い切られる(限界試薬)。
- 酸素は $20 - 12 = 8 \text{L}$ 余る。
- 全体の気体体積は、余った酸素 $8 \text{L}$ + 生成した $CO_2$ $8 \text{L}$ = $16 \text{L}$。
② 混合気体の反応
2種類の気体が混ざっている場合は、連立方程式で解く。
例題: メタン $CH_4$ と エチレン $C_2H_4$ の混合気体 $10 \text{L}$ を完全燃焼させたら、$CO_2$ が $14 \text{L}$ 生じた。メタンは何 $\text{L}$ か?
解法:
メタンを $x \text{L}$、エチレンを $y \text{L}$ とおく。
- 混合気体の体積: $x + y = 10 \dots$ ①
- $CO_2$ の生成量:
- $CH_4 \to 1CO_2$ なので、$x \text{L}$ からは $x \text{L}$ の $CO_2$。
- $C_2H_4 \to 2CO_2$ なので、$y \text{L}$ からは $2y \text{L}$ の $CO_2$。
- 式: $x + 2y = 14 \dots$ ②
- ①②を連立して解くと、$x = 6 \text{L}$。
③ 反応式を用いない計算(原子保存の法則)
複雑な反応経路でも、「特定の原子の数は変わらない」ことを利用するとショートカットできる。
例題: 酸化鉄(III) $Fe_2O_3$ ($M=160$) $8.0 \text{kg}$ から得られる鉄 $Fe$ ($M=56$) は何 $\text{kg}$ か?
考え方:
$1 \text{mol}$ の $Fe_2O_3$ には、$2 \text{mol}$ の $Fe$ 原子が含まれている。
途中の反応式を書かなくても、「$Fe$ のモル関係」だけで解ける!
- $Fe_2O_3$ の物質量 = $8.0 \times 10^3 / 160 = 50 \text{mol}$
- $Fe$ の物質量 = $50 \times 2 = 100 \text{mol}$
- $Fe$ の質量 = $100 \times 56 = 5600 \text{g} = 5.6 \text{kg}$
4. 化学の基礎法則と原子説
最後に、化学反応の基本ルールを確認しよう。
① 質量保存の法則 (Law of Conservation of Mass)
- 発見者: ラボアジエ (フランス, 1774年)。
- 内容: 「化学変化において、反応前の物質の質量の総和と、反応後の物質の質量の総和は等しい」。
- 理由: 化学変化では原子の組み替えが起こるだけで、原子そのものが消えたり生まれたりしないから。
第3章 第2節のまとめ
- 化学反応式: 左辺と右辺で原子の数を合わせる。未定係数法も使えるように。
- 量的関係: 係数の比 = 物質量(mol)の比 = 気体の体積(L)の比。
- 計算手順: 質量や体積はいったんすべて「mol」に変換してから、係数比で計算し、最後に元の単位に戻す。
- 過不足反応: 表(反応前・変化量・反応後)を書いて整理する。
- 質量保存の法則: ラボアジエ。反応の前後で総質量は変わらない。
よし、これで「化学反応式と計算」の単元もクリアだ!
特に「過不足のある反応」や「混合気体」は、入試で差がつくポイントだから、例題の解き方を真似して自分のものにしてね。
さあ、これで理論化学の基礎計算はバッチリだ。自信を持って問題に取り組んでくれ!
応援してるぞ!
3-3 化学の基礎法則と原子・分子の発見
1. 物質の構成に関する重要な法則
化学反応における質量のルールは、多くの偉人たちによって発見された。以下の4つの法則は、名前と内容をセットで必ず覚えよう!
① 質量保存の法則 (Law of Conservation of Mass)
- 発見者: ラボアジエ (フランス, 1774年)
- 内容: 「化学反応の前後で、物質の質量の総和は変化しない」。
- 理由: 化学変化は原子の組み合わせが変わるだけで、原子そのものは消滅したり新しく生まれたりしないから。
② 定比例の法則 (Law of Definite Proportions)
- 発見者: プルースト (フランス, 1799年)
- 内容: 「ある化合物を構成している成分元素の質量比は、常に一定である」。
- 例: 水 ($H_2O$) を構成する水素と酸素の質量比は、どんな場所の水でも、常に $1:8$ である。
③ 倍数比例の法則 (Law of Multiple Proportions)
- 発見者: ドルトン (イギリス, 1803年)
- 内容: 「2種類の元素A, Bからなる化合物が2種類以上あるとき、Aの一定質量と化合するBの質量の間には、簡単な整数比が成り立つ」。
- 例: 一酸化炭素 ($CO$) と二酸化炭素 ($CO_2$)
- 炭素($C$)の質量を固定して考えると、酸素($O$)の質量比は $1:2$ という簡単な整数比になる。
④ 気体反応の法則 (Law of Combining Volumes)
- 発見者: ゲーリュサック (フランス, 1808年)
- 内容: 「気体同士の反応において、反応・生成する気体の体積は、同温・同圧のもとで簡単な整数比となる」。
- 例: 水素 : 酸素 : 水蒸気 = $2 : 1 : 2$
2. ドルトンの原子説とその矛盾
① ドルトンの原子説 (Atomic Theory)
質量保存の法則や定比例の法則を説明するために、ドルトンは1803年に「原子説」を提唱した。
- すべての物質は、これ以上分割できない原子からできている。
- 同じ元素の原子は、質量や性質が同じである。
- 化合物は、異なる原子が決まった数で集まってできている。
- 化学変化では、原子の組み合わせが変わるだけで、原子が消えたり生まれたりはしない。
② 原子説の危機!?(気体反応の法則との矛盾)
ドルトンの原子説では、ゲーリュサックの「気体反応の法則」をうまく説明できなかったんだ。
- 矛盾の例: 「水素2体積 + 酸素1体積 $\to$ 水蒸気2体積」という反応
- もし「気体の体積比 = 原子の個数比」だと仮定すると……
- 水素原子2個 + 酸素原子1個 $\to$ 水の粒子2個
- これだと、1個の酸素原子を真っ二つに割って、2個の水粒子に分け与えないといけなくなる。
- 「原子はこれ以上分割できない」 という原子説と矛盾してしまう!
3. アボガドロの分子説と解決
この矛盾を解決したのが、イタリアの天才アボガドロだ。
① アボガドロの分子説 (Molecular Hypothesis)
1811年、アボガドロは次のような大胆な仮説を立てた。
- 「気体は、いくつかの原子が結びついた分子という粒子からできている」(原子が割れなくても、分子が割れればいい!)。
- 「同温・同圧・同体積のすべての気体は、気体の種類に関係なく、同数の分子を含む」。
② 矛盾の解決
「酸素や水素は、原子が2個くっついた二原子分子 ($O_2, H_2$) である」と考えれば、すべてがつじつまが合う。
- 反応式: $2H_2 + O_2 \to 2H_2O$
- 説明:
- 水素分子2個 ($H-H, H-H$) と 酸素分子1個 ($O-O$) が反応する。
- 酸素分子 ($O-O$) が2つの酸素原子 ($O, O$) に分かれて、それぞれの水素分子と結合する。
- これなら**「原子」は割れていない**(割れたのは「分子」だけ)。
③ アボガドロの法則
アボガドロの説は長い間認められなかったが、死後(弟子のカニッツァーロの尽力で)正しさが証明され、アボガドロの法則となった。
- 法則: 「同温・同圧のもとでは、どの気体も同体積中に同数の分子を含む」。
【まとめ表】化学の基礎法則(完全暗記リスト)
| 法則名 | 発見者 | キーワード |
| 質量保存の法則 | ラボアジエ | 反応前後で総質量は不変 |
| 定比例の法則 | プルースト | 成分元素の質量比は一定 ($H_2O$なら$1:8$) |
| 原子説 | ドルトン | 物質は原子からなる |
| 倍数比例の法則 | ドルトン | 2種の化合物間で、片方を固定すると他方は整数比 ($CO$と$CO_2$) |
| 気体反応の法則 | ゲーリュサック | 気体の体積比は整数比 |
| 分子説 (アボガドロの法則) | アボガドロ | 気体は分子からなる。同体積=同分子数 |
これで第3章「物質量と化学反応式」の全範囲(計算から歴史的背景まで)が完了だ!
この「誰が何をしたか」という歴史の流れは、センター試験(共通テスト)や定期テストの正誤問題でよく出るから、ストーリーとして覚えておくと強いぞ。
ここまでついてきた君なら、もう化学の基礎は盤石だ。自信を持っていい!
また次の章(酸塩基や酸化還元かな?)に進む準備ができたら教えてくれよな!応援してるぞ!