高校化学の基礎

【5章】溶液と溶解度

最終更新日: 2026-01-06 17:26:55

作成者: カリスマ講師

~「溶ける」の正体を完全攻略!~

「砂糖を水に入れたら見えなくなった」。

この当たり前の現象の裏側では、分子レベルですごいドラマが起きています。まずは基礎用語とメカニズムから見ていきましょう!

1. 溶液のキャスト紹介(基本用語)

まずは、登場人物(用語)を整理します。これがごちゃごちゃだと話が進みません!

【ここが大事!】電解質 vs 非電解質

2. なぜ「水」に溶けるのか?(溶解の仕組み)

水が色々なものを溶かせるのは、水分子に**極性(プラスとマイナスの偏り)**があるからです。

① イオン結晶の場合(塩など)

イオンは水が大好きです!

陽イオンには酸素側($\delta-$)が、陰イオンには水素側($\delta+$)が引き寄せられ、水分子がイオンを包み込んで結晶から引きはがします。

この現象を**水和(すいわ)**といいます。「水分子のファンクラブに囲まれる」イメージです!

② 極性分子の場合(エタノール・砂糖など)

エタノールや砂糖には、$-OH$(ヒドロキシ基)のような**親水基(しんすいき)があります。

これが水分子と「水素結合」**という強い握手をするため、仲良く混ざり合います。

3. 「もう限界!」溶解平衡と飽和溶液

コップに塩を入れ続けると、いつか溶け残りますよね?

限界まで溶けた状態を**飽和溶液(ほうわようえき)**といいますが、実はこのとき、溶けるのは止まっていません!

【溶解平衡(ようかいへいこう)】

「溶けていく速さ」 = 「結晶に戻る速さ」

外から見ると止まって見えますが、ミクロの世界では出たり入ったりを繰り返しています。この「つり合い」の状態を溶解平衡といいます。

4. 溶解度と計算の王道パターン

ここからがテスト頻出エリアです!

溶解度(ようかいど)とは?

ズバリ、「水 100g に溶ける限界の質量(g)」のことです。

一般的に、固体の溶解度は温度が高いほど大きくなります。

グラフ(溶解度曲線)を見てください。

 

5. 結晶析出の計算(再結晶)

温度を下げて、溶けきれなくなった分を結晶として取り出す操作を再結晶といいます。

この計算問題、苦手な人が多いですが、「比」を使えば一発です!

パターンA:普通の結晶(水和水なし)の場合

硝酸カリウムなどの場合です。

例えば、$t_1$℃の飽和溶液を $t_2$℃に冷やすとします。

【考え方】

「飽和溶液全体」に対して、「どれだけ析出するか」の比率は常に一定です。

 

$$\frac{\text{析出する結晶の量 } x}{\text{飽和溶液の質量}} = \frac{S_1 - S_2}{100 + S_1}$$

この式さえ作れれば、あとは $x$ を求めるだけ!

パターンB:水和物の場合(超重要!)

硫酸銅(II)五水和物($CuSO_4 \cdot 5H_2O$)のような結晶が出てくる場合、落とし穴があります。

「出てくる結晶の中に、水が含まれている!」 という点です。

計算するときは、析出する結晶 $x$ [g] のうち、純粋な溶質はどれくらいかを考える必要があります。式は少し複雑になりますが、基本は「溶質の量」に注目することです。

攻略のコツ

「水和物の計算は、溶質(中身)の重さだけで方程式を立てる!」

(溶媒の水が結晶に持っていかれる分、溶媒が減ることに注意!)

まとめ:ここさえ押さえれば勝てる!

  1. 水和と水素結合: 溶ける理由は「静電気的な引力」か「水素結合」。
  2. 動的平衡: 飽和状態でも、ミクロでは動き続けている。
  3. 溶解度の定義: **「水100g」**が基準!これを絶対忘れない。
  4. 析出計算:

次のステップ

溶解度の計算、特に「水和物」の計算は実際に手を動かさないと定着しにくい最難関ポイントです。

もしよろしければ、手元の問題集にある「溶解度の計算問題」の画像をアップしてください。

解き方のプロセスを、この「熱量高め」のトーンでわかりやすく解説します!
 

~「溶ける」の正体を完全攻略!~

「砂糖を水に入れたら見えなくなった」。

この当たり前の現象の裏側では、分子レベルですごいドラマが起きています。まずは基礎用語とメカニズムから見ていきましょう!

1. 溶液のキャスト紹介(基本用語)

まずは、登場人物(用語)を整理します。これがごちゃごちゃだと話が進みません!

【ここが大事!】電解質 vs 非電解質

2. なぜ「水」に溶けるのか?(溶解の仕組み)

水が色々なものを溶かせるのは、水分子に**極性(プラスとマイナスの偏り)**があるからです。

① イオン結晶の場合(塩など)

イオンは水が大好きです!

陽イオンには酸素側($\delta-$)が、陰イオンには水素側($\delta+$)が引き寄せられ、水分子がイオンを包み込んで結晶から引きはがします。

この現象を**水和(すいわ)**といいます。「水分子のファンクラブに囲まれる」イメージです!

② 極性分子の場合(エタノール・砂糖など)

エタノールや砂糖には、$-OH$(ヒドロキシ基)のような**親水基(しんすいき)があります。

これが水分子と「水素結合」**という強い握手をするため、仲良く混ざり合います。

3. 「もう限界!」溶解平衡と飽和溶液

コップに塩を入れ続けると、いつか溶け残りますよね?

限界まで溶けた状態を**飽和溶液(ほうわようえき)**といいますが、実はこのとき、溶けるのは止まっていません!

【溶解平衡(ようかいへいこう)】

「溶けていく速さ」 = 「結晶に戻る速さ」

外から見ると止まって見えますが、ミクロの世界では出たり入ったりを繰り返しています。この「つり合い」の状態を溶解平衡といいます。

4. 溶解度と計算の王道パターン

ここからがテスト頻出エリアです!

溶解度(ようかいど)とは?

ズバリ、「水 100g に溶ける限界の質量(g)」のことです。

一般的に、固体の溶解度は温度が高いほど大きくなります。

グラフ(溶解度曲線)を見てください。

5. 結晶析出の計算(再結晶)

温度を下げて、溶けきれなくなった分を結晶として取り出す操作を再結晶といいます。

この計算問題、苦手な人が多いですが、「比」を使えば一発です!

パターンA:普通の結晶(水和水なし)の場合

硝酸カリウムなどの場合です。

例えば、$t_1$℃の飽和溶液を $t_2$℃に冷やすとします。

【考え方】

「飽和溶液全体」に対して、「どれだけ析出するか」の比率は常に一定です。

 

$$\frac{\text{析出する結晶の量 } x}{\text{飽和溶液の質量}} = \frac{S_1 - S_2}{100 + S_1}$$

この式さえ作れれば、あとは $x$ を求めるだけ!

パターンB:水和物の場合(超重要!)

硫酸銅(II)五水和物($CuSO_4 \cdot 5H_2O$)のような結晶が出てくる場合、落とし穴があります。

「出てくる結晶の中に、水が含まれている!」 という点です。

計算するときは、析出する結晶 $x$ [g] のうち、純粋な溶質はどれくらいかを考える必要があります。式は少し複雑になりますが、基本は「溶質の量」に注目することです。

攻略のコツ

「水和物の計算は、溶質(中身)の重さだけで方程式を立てる!」

(溶媒の水が結晶に持っていかれる分、溶媒が減ることに注意!)

まとめ:ここさえ押さえれば勝てる!

  1. 水和と水素結合: 溶ける理由は「静電気的な引力」か「水素結合」。
  2. 動的平衡: 飽和状態でも、ミクロでは動き続けている。
  3. 溶解度の定義: **「水100g」**が基準!これを絶対忘れない。
  4. 析出計算:

固体の溶解度と結晶の析出

ここでは、「水にどれくらいモノが溶けるか」「温度を変えるとどれくらい結晶が出てくるか」という計算を扱います。

1. 結晶が出てくるパターンは2つ(P.110)

飽和水溶液(もうこれ以上溶けない限界の液)から結晶を取り出すには、以下の2つの方法があります。

  1. 冷却法:温度を下げる(冷やすと溶ける量が減るため、あふれた分が出てくる)。
  2. 蒸発法:水を蒸発させる(溶かす場所である水が減るため、溶けきれなくなった分が出てくる)。

★計算のコツ(比の式を使う)

テキストの「ポイント」にあるように、以下の比を使って計算するとスムーズです。

 

$$\frac{\text{析出する量}}{\text{飽和水溶液の量}} = \frac{\text{溶解度の差}}{100 + \text{溶解度}}$$

初心者向け解説:

「水100gに対する溶解度」のデータだけを見て計算しようとすると混乱します。「溶液全体(水+溶質)」の中に「どれだけ溶けているか」の割合で考えると計算ミスが減ります。

2. 例題:硝酸カリウムの析出(P.110)

例題では、60℃の飽和水溶液を20℃に冷やしたり、水を蒸発させたりしています。

【重要・難所】水和物の溶解と析出(P.111〜113)

ここは多くの高校生がつまずくポイントです。「水和物(すいわぶつ)」という特殊な結晶の計算です。

1. 水和物とは?

結晶の中に「水分子」を含んでいる物質です。

例:硫酸銅(II)五水和物 ($CuSO_4 \cdot 5H_2O$)

2. 計算の絶対ルール

水和物の計算では、「水の部分」と「中身の塩(無水物)の部分」を分けて考える必要があります。

3. 計算テクニック(P.112の解説より)

式量の比を使うのが鉄則です。

硫酸銅の場合:

この数字を使って、「結晶 $x$グラムの中に、本当の溶質はどれくらい? 水はどれくらい?」を分解します。

例題の解き方(P.112 下段):

80℃の飽和水溶液を0℃に冷やして、$CuSO_4 \cdot 5H_2O$ が何g出るか?

  1. 析出する結晶の量を $y[g]$ と置きます。
  2. 「溶質の量」と「溶液の量」の変化を表にします。
  1. これが、0℃の溶解度の比(飽和状態)と等しいとして方程式を立てます。

 

$$\frac{\text{溶質}}{\text{溶液}} = \frac{14.0}{100+14.0}$$

この方程式(P.112の一番下の式)を解くことで答えが出ます。

 

パート1のまとめ

 

水和物(「・nH₂O」がつくもの)の析出は、結晶が水を持ち逃げすることを考慮し、式量計算(160/250など)を使って方程式を立てる必要がある。

 

ここは「物質の三態(気体)」と「溶液」が混ざった分野で、特に**「体積」の扱いにおけるひっかけ問題**が非常に多い要注意ポイントです。

1. 気体が溶けるときの基本ルール(P.113)

固体の溶解度(パート1)とは逆の性質を持ちます。

2. 最重要法則:ヘンリーの法則(P.114)

「溶解度があまり大きくない気体(酸素や窒素など)」について、以下の法則が成り立ちます。

※アンモニアや塩化水素のように、水にめちゃくちゃ溶ける気体には当てはまりません。

① 質量・物質量のルール(素直な法則)

「一定量の溶媒に溶ける気体の質量(または物質量)は、その気体の圧力に比例する」

圧力を2倍、3倍にすれば、溶ける量(重さ $g$ や モル $mol$)も2倍、3倍になります。これは直感的に分かりやすいはずです。

② 体積のルール(ここが難所!)

テキストP.114の赤枠やポイント部分で強調されている、最も間違いやすい部分です。

「その圧力のもとで測定した体積は、圧力に関係なく一定である」

**「えっ、圧力をかけたら2倍溶けるんじゃないの?」**と思いますよね。ここでボイルの法則(圧力と体積は反比例する)が絡んできます。

  1. 圧力を2倍にすると、溶ける分子の数(モル)は2倍になります。
  2. しかし、圧力が2倍なので、気体そのものはギュッと圧縮されて、体積は**半分(1/2)**になろうとします。
  3. 「量が2倍」×「圧縮されて1/2」= 体積は変わらない(1倍)

★試験での注意点

問題文の聞き方によって答えが変わります!

3. 混合気体の計算(P.115)

空気のように複数の気体が混ざっている場合、「分圧(ぶんあつ)」を使って計算します。

例題の考え方(P.115):

空気(窒素と酸素が $4:1$ で混ざっている)が水に接しているとき、酸素はどれくらい溶けるか?

  1. 分圧を求める
    全圧が $1 \text{atm}$ なら、酸素はそのうちの $\frac{1}{5}$ の圧力を担当しています。
    酸素の分圧 = $1 \text{atm} \times \frac{1}{5} = 0.2 \text{atm}$
  2. 分圧をもとに溶解量を計算する
    「$1 \text{atm}$ のときに溶ける量」のデータが与えられているはずなので、それを 0.2倍 します。
    (ヘンリーの法則「溶ける質量は圧力に比例する」を使います)

 

パート2のまとめ

 

混合気体は、その成分の分圧だけを考えて計算する。

 

1. 主な3つの濃度(P.116)

まずは定義(何 ÷ 何 をしているのか)をしっかり区別しましょう。分母が「溶液(全体)」なのか「溶媒(水だけ)」なのかが最大のポイントです。

① モル濃度(記号:$C$ または $M$)

② 質量モル濃度(記号:$m$)

③ 質量パーセント濃度(記号:$a$ または $\%$)

2. 【最重要】濃度の換算テクニック(P.116下〜P.117)

「質量パーセント濃度(%)」と「密度($g/cm^3$)」が分かっているときに、「モル濃度($mol/L$)」を求めなさい、という問題が非常に頻出です。

テキストP.116の下部にある公式を丸暗記する方法もありますが、**「仮定法(かていほう)」**を使って解く手順を覚える方が、応用が効きます。

★公式を忘れても解ける「仮定法」のステップ

例:密度 $d [\text{g/cm}^3]$、質量パーセント濃度 $a [\%]$、分子量 $M$ の溶液のモル濃度は?

ステップ1:溶液を勝手に「1リットル(1000mL)」あると仮定する

ここがコツです。濃度は量が変わっても変わらないので、計算しやすい1Lで考えます。

ステップ2:溶液全体の「重さ(質量)」を出す

1L = 1000cm³ です。密度が $d [\text{g/cm}^3]$ なので、

ステップ3:その中の「中身(溶質)」の重さを出す

全体のうち $a [\%]$ が溶質なので、

ステップ4:重さを「モル(物質量)」に直す

溶質の質量を分子量 $M$ で割ります。

ステップ5:モル濃度を出す

最初に「1L」と仮定したので、ステップ4で出したモル数がそのままモル濃度になります。

テキストの公式(P.116赤枠)

 

 

$$c = \frac{10ad}{M}$$

 

これは上記のステップをまとめたものです。「ヒトマルエーディー、割るエム($10ad / M$)」などの語呂合わせで覚える人もいますが、手順を理解していれば忘れません。

全体のまとめ

  1. 固体の溶解度
  1. 気体の溶解度(ヘンリーの法則)
  1. 濃度の換算

以上で、アップロードされた画像の範囲(溶液の性質)の解説は終了です。

この単元は計算パターンが決まっているので、例題の数字を変えて何度か練習するとすぐに定着します。応援しています!

 

【パート1】沸点上昇と凝固点降下の仕組み(基本編)

(画像:chemihigh-107, 108, 109 に相当)

ここでは、「純粋な水」に「何か(砂糖や塩など)」を溶かすと、沸騰する温度や凍る温度がどう変化するかを学びます。

1. 蒸気圧降下(P.118)

まず、すべての現象の原因となる**「蒸気圧降下」**を理解しましょう。

2. 沸点上昇(P.118)

「蒸発する力が弱まる」ということは、「沸騰させるのにより高い温度が必要になる」ということです。

3. 凝固点降下(P.119)

逆に、凍る温度(凝固点)は下がります。

(例:冬に道路に融雪剤をまくと、0℃でも凍らなくなる現象です)

4. 計算の基本公式(P.119〜120)

この単元で最も重要な公式が2つあります。形はまったく同じです。

  1. 沸点上昇度: $\Delta t_b = K_b \cdot m$
  2. 凝固点降下度: $\Delta t_f = K_f \cdot m$

ここで重要なのは、それぞれの記号の意味です。

 

パート1のまとめ

 

 

続いて、この公式を使って「未知の物質の分子量を突き止める」計算問題の解説に移ります。テストで最もよく出るパターンです。

 

ここでは、先ほどの「沸点上昇・凝固点降下」の公式を応用して、「未知の物質の正体(分子量)」を突き止める方法と、テストで絶対に引っかかってはいけない「電解質(イオン)」の計算ルールを解説します。

1. 分子量 $M$ を求める計算(P.121)

化学の実験では、「謎の白い粉末」が何なのかを調べるために、この方法がよく使われます。

「溶かして、温度変化($\Delta t$)を測るだけで、その物質の分子量がわかる」という便利なテクニックです。

公式の変形(暗記より理解がおすすめ)

基本公式は $\Delta t = K \cdot m$ でした。

ここで、質量モル濃度 $m$ [mol/kg] を具体的に書き下してみます。

これらを割り算して $m$ を作ると:

 

 

$$m = \frac{\text{溶質のモル}}{\text{溶媒のkg}} = \frac{w/M}{W/1000} = \frac{1000 \cdot w}{M \cdot W}$$

これを基本公式 $\Delta t = K \cdot m$ に代入し、求めたい $M$ について整理すると、以下の「分子量測定の公式」が導かれます。

 

$$M = \frac{1000 K \cdot w}{\Delta t \cdot W}$$

式の意味:

「1000 × 比例定数 × 溶質の重さ」を、「温度変化 × 溶媒の重さ」で割る。

※この公式はP.121のポイント枠にありますが、試験中にド忘れしやすいため、**「基本公式 $\Delta t = K \cdot m$ に、自分で $m$ の中身を代入して解く」**スタイルが最も安全です。

実践例題(P.121)

2. 【最重要】電解質の罠(P.122 発展ゼミ)

ここがこの単元で一番のひっかけポイントです。

これまでの話は、「砂糖」や「グルコース」のように、水に溶けてもバラバラにならない物質(非電解質)の話でした。

しかし、「食塩(塩化ナトリウム)」のような電解質の場合、話が変わります。

ルール:沸点上昇・凝固点降下は「粒の数」で決まる

この現象は、溶けている物質の種類や大きさは関係なく、**「溶けている粒子の総数(モル数の合計)」**だけに比例します。

試験での対策

問題文に「塩化ナトリウム」や「塩化カルシウム」「硝酸カリウム」などの塩(えん)が出てきたら、必ず質量モル濃度 $m$ に「×2」や「×3」をして粒子の合計モル濃度にしてから、公式 $\Delta t = K \cdot m$ に代入してください。

 

パート2のまとめ

 

  1. 分子量測定:公式 $\Delta t = K \cdot m$ を変形して、実験データから分子量 $M$ を逆算できる。
  2. 電解質の注意点:溶質のモル数ではなく、**「電離した後の粒子の総モル数」**を使う。$\text{NaCl}$ なら2倍、$\text{CaCl}_2$ なら3倍するのを忘れないこと。

 

それでは最後に、植物の細胞などにも関わる重要な現象「浸透圧」について解説します。

1. 浸透(しんとう)とは何か?(P.122)

半透膜(はんとうまく)の役割

まず、**「半透膜」**という特殊な膜が登場します。

移動のルール:薄いほうから濃いほうへ

図41(a)のように、U字管の真ん中を半透膜で仕切り、片方に水、片方に砂糖水を入れます。

なぜ?

「濃度を均一にしようとする力」が働くからです。砂糖は膜を通れないので、水が移動して砂糖水を薄めようとします。つまり、**「溶媒(水)は、濃度の小さい溶液から大きい溶液へ移動する」**というルールがあります。

テキストの例:ナメクジに塩をかけると縮むのは、体内の水分(薄い液)が、表面の塩水(濃い液)のほうへ吸い出されてしまうからです。

2. 浸透圧とファントホッフの法則(P.123)

浸透圧(しんとうあつ)の定義

先ほどのU字管で、砂糖水の液面が上がろうとするのを、上からピストンで押さえつけて無理やり止めるには、圧力が必要です。

ファントホッフの法則(公式)

オランダの化学者ファントホッフは、**「薄い溶液の浸透圧は、気体の法則と同じ式で表せる」**ことを発見しました。気体の状態方程式 $PV=nRT$ とそっくりです。

 

$$\Pi V = nRT$$

この式を変形すると、モル濃度 $c$ [mol/L] ($= n/V$)を使って次のようにも書けます。

 

$$\Pi = cRT$$

注意点

沸点上昇・凝固点降下では「質量モル濃度(mol/kg)」を使いましたが、浸透圧では「モル濃度(mol/L)」を使います。ここを混同しないようにしましょう。

3. 分子量 $M$ の測定(P.124)

浸透圧の公式も、変形することで「未知の物質の分子量」を求めるのに使えます。

公式 $\Pi V = \frac{w}{M} RT$ を変形して:

 

$$M = \frac{wRT}{\Pi V}$$

なぜ浸透圧で測るのか?(重要)

分子量が非常に大きい物質(タンパク質や高分子化合物など、分子量1万以上のもの)を測るときは、沸点上昇法ではなく、この浸透圧法が使われます。

4. 電解質の場合の注意(P.124 補足)

沸点上昇のときと同じく、浸透圧も「粒子の数」に比例します。

食塩(NaCl)のような電解質の場合は、電離して粒が増えるため、**「イオンの総モル数」**で計算する必要があります。

【希薄溶液の性質】全体のまとめ

  1. 沸点上昇・凝固点降下
  1. 浸透圧
  1. 共通のひっかけ

電解質(塩)は、電離後の粒子の数(×2倍、×3倍)で計算する!

 

【パート1】コロイドって何?(基本と性質)

(画像:chemihigh-114, 115, 116, 117 に相当)

「コロイド」とは、一言で言うと**「完全に溶けているわけではないが、沈殿もしない、宙ぶらりんな状態」**のことです。

1. コロイドの定義(P.125)

最大のポイントは**「粒子の大きさ」**です。

★重要テスト・ポイント

「ろ紙」と「半透膜(セロハン)」を使った区別が頻出です。

2. コロイド特有の4つの現象(P.127-128)

コロイド粒子は「そこそこ大きい」ために、光や熱の影響を受けやすく、独特な動きをします。

  1. チンダル現象
  1. ブラウン運動
  1. 透析(とうせき)
  1. 電気泳動(でんきえいどう)

【パート2】コロイドの分類と沈殿(最重要)

(画像:chemihigh-117, 118, 119 に相当)

コロイドには「水と仲が良いか・悪いか」で2種類あり、それぞれ**沈殿のさせ方(固め方)**が違います。ここがテストの山場です。

1. 疎水コロイドと凝析(ぎょうせき)

★重要ルール

沈殿させる力は、イオンの価数(+1より+2、+3)が大きいほど強力です。

(例:負コロイドを沈めるなら、$Na^+$ より $Al^{3+}$ のほうが圧倒的に強い)

2. 親水コロイドと塩析(えんせき)

3. 保護コロイド

【パート3】生活の中のコロイド・界面活性剤

(画像:chemihigh-120, 121, 122 に相当)

1. 状態による呼び方(P.131)

2. 吸着と乳化(P.132-133)

3. セッケンの仕組み(ミセル)

セッケン分子は、「水が好きな頭(親水基)」と「油が好きな尻尾(疎水基)」を持っています。

コロイド単元のまとめ

 疎水コロイド (Hydrophobic)親水コロイド (Hydrophilic)
主な物質金属、泥、硫黄 (無機物)デンプン、タンパク質 (有機物)
水との相性悪い (反発力だけで浮いている)良い (水分子ガードがある)
沈殿方法凝析 (少量の電解質で沈む)塩析 (多量の電解質が必要)
補強保護コロイドに守ってもらう自分が保護コロイドになる

この単元は用語の定義を問う問題が非常に多いので、上記の表や現象の名前をしっかり結びつけて覚えておきましょう。

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