高校化学(基本編)

元素と単体・化合物

最終更新日: 2025-03-12 12:03:30

作成者: 塾長である

1. 元素とは何か?

① 物質の成分と元素

皆さん、私たちの身の回りの物質は何からできていると思いますか?
例えば、水を電気分解すると、水素と酸素に分かれます。これは、水が 水素(H)と酸素(O) からできていることを示していますね。
また、二酸化炭素(CO₂)にマグネシウムを入れて燃やすと、炭素(C)が出てきます。これは 二酸化炭素が炭素(C)と酸素(O)からできている ことを表しています。

このように、物質を構成する基本的な成分のことを 元素 といいます。

② 元素の種類

元素とは、物質を構成する最小単位である 原子の種類 によって決まります。
現在知られている元素の種類は 約100種類 あり、これには自然界に存在するものだけでなく、人間が人工的に作り出したものも含まれます。

③ 元素記号

元素には、特定の記号が与えられています。例えば、水素は H、酸素は O です。
この記号のことを 元素記号(原子記号) といいます。
多くの元素記号は、その元素の ラテン語の名前 から1文字または2文字を取って作られています。

物質成分元素元素記号
水素・酸素H・O
二酸化炭素炭素・酸素C・O

また、元素記号の由来は以下のようになっています。

日本語名記号ラテン語名由来
水素Hhydrogenium「水を作るもの」を意味するギリシア語 hydrogenes から
炭素Ccarboneum「炭」を意味するラテン語 carbonis から
酸素Ooxygenium「酸のもと」と誤って名付けられた

2. 元素の考え方の歴史

古代ギリシアのエンペドクレス(B.C.490~B.C.430) は、「すべての物質は、土・水・空気・火 の4元素からなる」という 四元素説 を提唱しました。
この考え方は2000年以上も続きましたが、イギリスの ボイル(1627~1691) が「それ以上分割できない物質こそ元素だ」と定義しました。
さらに、フランスの ラボアジェ(1743~1794) が元素の概念を整理し、現在の「元素」の考え方が確立されました。

3. 単体と化合物

① 単体とは?

単体とは 1種類の元素だけ からできている物質のことです。
例えば、酸素(O₂)は 酸素元素(O)だけ からできているので、単体です。

🔹 単体の例

② 化合物とは?

化合物とは、2種類以上の元素 からできている物質のことです。
例えば、水(H₂O)は 水素(H)と酸素(O) からできているので、化合物です。

🔹 化合物の例

4. 自然界における元素の割合

地球上の物質の組成を調べると、特に 酸素(O)とケイ素(Si)が多い ことが分かります。
地球の地殻(大気や海を含む深さ16kmまで)における元素の割合を クラーク数 といいます。
これによると、酸素(O)が最も多く、次にケイ素(Si)が続き、この2つで 地球全体の約75% を占めています。

以上が、「元素と単体・化合物」についてでした!
質問があれば、どんどん聞いてくださいね。😊

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