物質の構成とは?
最終更新日: 2025-03-15 12:06:08
作成者: 塾長である
💎 1. 物質の構成とは?
まずはこの動画を見てゆきましょう!
いかがでしたでしょうか?
では、今習ったことを頭に入れて復習しましょう!
物質とは、私たちの周りに存在する すべてのもの を指します。
例えば、水・食塩・空気・石油 などが物質の例です。
物質には大きく分けて 「混合物」 と 「純物質」 があります。
この2つの違いを理解し、物質を分離・精製する方法について学びましょう。
🧪 1-1. 混合物と純物質
① 混合物とは?
💡 混合物 とは、2種類以上の異なる物質が混じり合ってできたものです。
例えば:
- 食塩水 → 水 + 食塩
- 空気 → 窒素 + 酸素 + 二酸化炭素 など
🔥 ポイント
- 混合物は融点や沸点などの性質が一定ではなく、混ぜる割合によって性質が変わります。
② 純物質とは?
💡 純物質 とは、1種類の物質だけでできているものです。
例えば:
- 水(H₂O)
- 食塩(NaCl)
- 酸素(O₂)
🔥 ポイント
- 純物質は、融点・沸点・密度などの性質が常に一定です。
- 例えば、**水の沸点は100℃**で、**氷の融点は0℃**です。
📊 1-2. 混合物と純物質の違い
項目 | 混合物 | 純物質 |
---|---|---|
成分 | 2種類以上の物質 | 1種類の物質 |
融点・沸点 | 組成によって変化 | 常に一定 |
例 | 食塩水・空気・石油 | 水・酸素・食塩 |
📈 表1. 空気の組成と各成分の沸点
空気も 混合物 の一種で、以下の成分からできています。
物質名 | 化学式 | 体積割合(%) | 沸点(℃) |
---|---|---|---|
窒素 | N₂ | 78.10 | -195.8 |
酸素 | O₂ | 20.93 | -183.0 |
アルゴン | Ar | 0.93 | -186.0 |
二酸化炭素 | CO₂ | 0.04 | -78.5 |
🌊 表2. 海水中に含まれる物質
海水も混合物の一種です。以下の成分が含まれています。
物質名 | 化学式 | 質量百分率(%) |
---|---|---|
塩化ナトリウム | NaCl | 77.8 |
塩化マグネシウム | MgCl₂ | 10.9 |
硫酸マグネシウム | MgSO₄ | 4.7 |
硫酸カルシウム | CaSO₄ | 3.6 |
🔬 1-3. 物質の分離と精製
分離とは?
💡 分離 とは、混合物から純物質を取り出す操作のことです。
精製とは?
💡 精製 とは、分離した物質から不純物を取り除き、純度を高める操作です。
🧪 1-4. 分離と精製の方法
① 沪過(ろ過)
💡 液体の中に含まれる固体(沈殿など)を、ろ紙などを用いて分離する方法です。
例えば:
- 泥水から砂を取り除くときに使います。
② 分留
💡 分留 とは、沸点の違いを利用して液体を分離する方法です。
例えば:
- **原油(石油)**を分留すると、ガソリン・灯油・軽油などに分けられます。
- 液体空気を分留すると、酸素や窒素を分けることができます。
③ 蒸留
💡 蒸留 とは、液体を加熱し、蒸発させた気体を冷やして液体に戻す方法です。
例えば:
- 食塩水を蒸留すると、水と食塩に分離できます。
④ 再結晶法
💡 再結晶法とは、結晶を析出させることで不純物を取り除く方法です。
例えば:
- 食塩に混ざった不純物を取り除く際に使われます。
💡 まとめ
✅ 混合物と純物質の違い
項目 | 混合物 | 純物質 |
---|---|---|
成分 | 2種類以上の物質 | 1種類の物質 |
沸点・融点 | 組成によって変化 | 一定 |
例 | 空気・食塩水・石油 | 水・酸素・塩化ナトリウム |
✅ 分離と精製の方法
分離方法 | 内容 | 例 |
---|---|---|
沪過 | 固体と液体を分ける | 泥水から砂を取り除く |
分留 | 沸点の違いで分ける | 石油からガソリンを取り出す |
蒸留 | 液体を蒸発・冷却 | 食塩水から水を取り出す |
再結晶法 | 結晶を析出させる | 食塩の純度を高める |
どうでしたか?
復習がてらにテストをしましょう。
📝 最後に
これまで学んだ内容を整理すると、
✅ 物質は「混合物」と「純物質」に分けられる
✅ 純物質は1種類の物質だけで構成され、融点・沸点が一定
✅ 混合物は複数の物質が混じり合ったもので、融点・沸点が変化する
次回は、物質の元素組成や化学式について詳しく学びましょう!🧑🔬💊
3-2 化学反応式と物質量
化学反応式は、単に物質の化学式を表すだけでなく、その化学式における物質同士の量的な関係を示しています。この量的関係は、化学反応式における各物質の係数によって決まります。化学反応式を使って、物質量(mol)や質量、気体の体積を計算することができます。
1. 化学反応式の表す意味
化学反応式では、反応に関わる物質の係数が、物質同士の量的な関係を示します。たとえば、次の反応式を見てみましょう。
[ \text{CH}_4 + 2\text{O}_2 \rightarrow \text{CO}_2 + 2\text{H}_2\text{O} ]
この化学反応式は、メタン(CH₄)が酸素(O₂)と反応して二酸化炭素(CO₂)と水(H₂O)を生成する反応を表しています。ここで、化学反応式の係数は、物質間の物質量(mol)の比を表しています。
- メタン1 mol と酸素2 mol が反応して、二酸化炭素1 mol と水2 mol が生成されます。
化学反応式の係数は、分子の数に関係しています。例えば、メタン1 mol では6.02×10²³個のメタン分子が存在し、酸素2 mol では6.02×10²³×2個の酸素分子が存在します。
2. 化学反応式と物質の質量・気体の体積の関係
物質1 mol の質量は、その物質の分子量にグラムの単位をつけたものであり、気体1 mol は、標準状態(0℃, 1 atm)で22.4Lの体積を占めます。この関係を利用して、化学反応式は物質間の質量や気体の体積に関する量的な関係も示しています。
例えば、次の化学反応式において、メタンの燃焼に関する質量・体積の関係は以下の通りです。
| 化学反応式 | CH₄ | + | 2O₂ | → | CO₂ | + | 2H₂O | |---|---|---|---|---|---|---|---| | 物質量 | 1 mol | | 2 mol | | 1 mol | | 2 mol | | 分子数 | 1×6.02×10²³ | | 2×6.02×10²³ | | 1×6.02×10²³ | | 2×6.02×10²³ | | 質量 | 1×16.0g | | 2×32.0g | | 1×44.0g | | 2×18.0g | | 気体の体積 | 1×22.4L | | 2×22.4L | | 1×22.4L | | (無視する) |
この表では、物質の質量や気体の体積に関する情報が示されています。メタン1 mol では16g、酸素2 mol では64g、二酸化炭素1 mol では44g、水2 mol では36g になります。
化学反応における量的計算
化学反応式を使うことで、物質量、質量、気体の体積の関係を計算できます。たとえば、次の例を見てみましょう。
例1:メタン(CH₄)の燃焼に必要な酸素の体積と生成される水分子数の計算
-
化学変化を化学反応式で表す
[ \text{CH}_4 + 2\text{O}_2 \rightarrow \text{CO}_2 + 2\text{H}_2\text{O} ] -
メタンの物質量を計算する
メタン3.20gの物質量を計算します。
メタンの分子量は16.0 g/mol なので、
[ n_A = \frac{3.20 \, \text{g}}{16.0 \, \text{g/mol}} = 0.200 \, \text{mol} ] -
反応する酸素の物質量を計算する
反応式の係数から、0.200 molのメタンに反応する酸素は0.400 molです。 -
酸素の体積を計算する
気体の体積は標準状態で22.4 L/molなので、
[ 0.400 \, \text{mol} \times 22.4 \, \text{L/mol} = 8.96 \, \text{L} ] -
水の分子数を計算する
反応式の係数から、生成する水の物質量は0.400 molです。水の分子数は、
[ 0.400 \, \text{mol} \times 6.02 \times 10^{23} \, \text{個/mol} = 2.41 \times 10^{23} \, \text{個} ]
例2:エタン(C₂H₆)の完全燃焼における計算
化学反応式: [ 2\text{C}_2\text{H}_6 + 7\text{O}_2 \rightarrow 4\text{CO}_2 + 6\text{H}_2\text{O} ]
この反応式を使って、エタンの体積や質量に関連する計算を行います。
-
エタン5.6 Lの物質量は、
[ n = \frac{5.6 \, \text{L}}{22.4 \, \text{L/mol}} = 0.25 \, \text{mol} ] -
反応して生成する水の物質量は、
[ 0.25 \, \text{mol} \times \frac{6}{2} = 0.75 \, \text{mol} ] -
水分子の数は、
[ 0.75 \, \text{mol} \times 6.0 \times 10^{23} \, \text{個/mol} = 4.5 \times 10^{23} \, \text{個} ] -
エタン15gの物質量は、
[ n = \frac{15 \, \text{g}}{30 \, \text{g/mol}} = 0.50 \, \text{mol} ] -
必要な酸素の物質量は、
[ 0.50 \, \text{mol} \times \frac{7}{2} = 1.75 \, \text{mol} ] -
酸素の体積は、
[ 1.75 \, \text{mol} \times 22.4 \, \text{L/mol} \approx 39 \, \text{L} ]
まとめ
化学反応式を使うことで、物質の量、質量、気体の体積の関係を理解し、計算を行うことができます。これにより、実際の化学反応の進行に必要な物質量や生成物の量を予測することができます。